ドイツで開催のベーカリー展示会
オーガニックや電子レンジを使用したパンに注目
3年に一度、ドイツで開催される「WORLD Market for Baking」。昨年はデュッセルドルフ国際展示場で10月3日~10月9日まで開催された。出展社数1059社、出展国55カ国、来場者数約7万9500人(全体の55%がドイツ以外から来場)、訪問国150カ国とベーカリー業界では世界最大級の展示会として知られている。テーマは「everything for Bakers and Confectioners」(「全てパン職人と菓子職人のために」)で、今年で60年を迎えるibaが主催。出展社のカテゴリーは小売および中食(持ち帰り)、アイスクリーム、コーヒー、製パン、製菓などにおける生産能力向上技術や冷凍および生地の保存技術など。
若手育成に注力しているibaではベーカリー界のワールドカップといわれる「Ibacup」を開催。テーマは「The Art of Baking(パン作りの芸術)」。今回はチリ、スウェーデン、アイルランド、イタリア、韓国、クロアチア、中国、デンマーク、フランス、ポーランド、ロシア、日本の計12カ国が参加。大会はエッフェル塔製作で19歳と18歳のフランスチームが優勝した。二位、三位はクロアチアと韓国が同点で入賞を果たした。
近年のオーガニックブームに伴い、オーガニック素材を使用したべーキングがトレンドになっている。ヨーロッパでは市場を年々拡大しており見落とすことは出来ない。注目のオーガニックは、吟味されたオーガニック素材や、それを使用して作られるパン、製菓類が会場をにぎわせた。
新技術としての注目を集めたのは、フランス Concept Convergence社の電子レンジを使用して作れるパン。通常のオーブンで焼き上げる過程を電子レンジを使用しパン全体を白く仕上げている。サンドイッチパン用に開発された商品。従来のオーブン仕上げの食パンでは、サンドイッチの作成工程で耳となる部分を切り落とすため、このパンを使用すると材料の無駄と作業手間を省ける。加熱時間も500gの生地で約1分、1kgでも2分で加熱できるため、光熱費の大幅な省エネパンだ。「今年2月からスーパーやケータリング業者向けに販売をはじめたが、9か月で前年度比20%増と売り上げが伸びている」と いう(同社Grandjean氏)。
日本からは6社が出展(現地法人含まず)。カステラの実演をしながらオーブン紹介を行った七洋製作所の武田博年氏(営業係長)は「カステラの柔らかさに驚かれるお客さんに逆に驚いた」とのこと。カジワラは攪拌機を出展。「東欧、中近東からの引き合いが多い」と東京営業所主任の米澤敬氏。共に初出展で好調な滑り出しだ。出展20年を迎えるオシキリは、今回ハンバーガー用バンズ「Mini Bun Line」をメイン出品。「日本人向けの製品が多いので来場は日本企業が中心だが、中東および東欧からは、バンズ用の引き合いが多い」と営業推進部部長の川真田晋氏。
日系の現地企業の出展では、レオン自動機の現地法人、ドイツレオンが出展。レオンは、パンの本場ドイツで年間80台を売り上げる実績を持つ。本出展のテーマは「50年前の手作業を機械で再現する」。従来のTA(対粉表記)210から160を可能にした。新システムの導入により、生地にストレスを与えず手捏ねと同等品質の機械化に成功した。「当社は全世界をターゲットにしている」と力強く語るドイツレオン米丸政弘・ヨーロッパ支店社長。各社とも予想以上の引き合いがあり、今後が期待される。
次回は2012年9月28日から10月3日までドイツ・ミュンシュンで開催される。
(デュッセルドルフ=白神三津恵)
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更新:2010/03/17 18:33 作成:2010/03/17 18:23